沿革・概要

 Japan Arteriosclerosis Longitudinal Study(以下JALS)は、公益信託・日本動脈硬化予防研究基金の助成の下に、全国各地で行われている循環器コホート研究の個人データを統計的に統合し、日本人の循環器疾患発症リスクとリスク因子の影響を定量的に評価することを目的として開始された研究です。JALSは、(1)標準化を達成し前向きにデータを統合する研究(統合研究)、(2)先行するコホート研究における個人単位の成績を緩やかな標準化によって統合する研究(0次統合研究)の二つの研究からなっています。参加・データ提供を行っている各地域コホートの研究者は、独自の研究資金を獲得するとともに、毎年の申請・審査のもとに公益信託から研究資金援助を受ける形をとっています。統合研究のデータ収集・データ解析等の事務局業務は、中央大学理工学部人間総合理工学部 生物統計学研究室内におかれております事務局にて実施しています。

 JALSは、2001年8月に調査方法の標準化のための会議を行いスタートしました。この会議では、現状の循環器疫学研究で実施されてきた血圧、血液検査、背景要因の問診方法の標準化にはじまり、今後の疫学研究での食事、身体活動調査の重要性を考え、統一の調査票による調査を目指すことが確認されました。この後、参加可能性のある研究者に対する説明会を行い、研究参加施設を募ると共に、食事、身体活動調査については、ワーキンググループを設立し、調査票の作成と作成した調査票の妥当性研究を開始しています。

 統合研究に関しては、2002年から2004年12月までにベースライン調査が行われ(一部コホートは2005年3月末)、33コホート(約70市町村、9つの職域)、約12万人からなる統合コホートを設定いたしました。ベースライン調査の状況については、現在事務局においてデータベース化の作業が進行中であり、近いうちに報告を行う予定でおります。

 ベースライン調査終了から開始されております追跡・発症登録につきましては、検討委員会やワークショップを開催し、方法の標準化について研究者間の見解の統一が図られてきました。発症の登録方法の詳細については、「発症登録のてびき」としてまとめ、ベースライン調査方法同様に、各コホート間で標準化をはかり、一定の確度をもって追跡をおこなっております。