東京都板橋区在宅高齢者コホート
[最終更新日:2010年10月12日]
地域紹介
■人口
東京都板橋区523,083人(2005年10月1日現在)

■年齢構成
平均年齢43.4歳(平成17年)

■地域の特徴
板橋区(いたばしく、面積32.17km2)は、東京23区の北西部に位置し、区内の多くが住宅街であるが、北部は工業地域となっている。工業は板橋区を特徴付ける代表的な産業であり、江戸時代に埼玉県の伸銅業が伝わり、それが地場産業となった事から始まった。また、明治には、加賀にできた火薬製造工場を起点に軍需産業が形成されたが、戦後は精密・光学機器や印刷関連産業が盛んになり、現在でも都内有数の工業地域となっている。一方、東京都健康長寿医療センターや大学病院などの大きな病院が数多くある事でも知られている。

・板橋区ホームページ
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/
コホート概要
■歴史
板橋区コホートは、大きく分けて、2001年開始コホート(以下、2001年コホート)と2002年開始コホート(以下、2002年コホート)が存在し、いずれも板橋区の70歳以上の在宅高齢者である。

2001年コホートは、東京都老人総合研究所が1991年度(平成13年度)に開始した特別プロジェクト「中年からの老化予防総合的長期追跡研究」のうち心理班が実施したライフイベントと心理面との関連に関する追跡に2000年まで経年的に参加いただいた方々のうち、2001年に70歳以上の住民を対象に健診をご案内し、438名が受診をした。

2002年コホートは、板橋区の協力を得て区内5ヶ所の老人保健福祉施設「ふれあい館」登録者から健診希望者を募集した集団と、区内南部地区の住民基本台帳から無作為抽出後健診案内をした集団の二つから成り、合計1786名が受診をした。

いずれのコホートについても、高齢者において罹患率の高い慢性疾患のチェックのみならず、転倒、失禁、低栄養、軽度うつ等の老年症候群を早期発見・予防するための「お達者健診」を、1〜3年毎に行っている。

■調査項目
身体計測(身長、体重、体脂肪)、血圧、既往歴、血液検査、心電図、骨密度、身体機能(歩行速度、握力など)、面接聞き取り調査(ADL、転倒、失禁、うつ傾向、認知機能、栄養など)、口腔内診察

■主な成果(いずれもPubmedへリンク)
・Iwasa H, Gondo Y, Yoshida Y, Kwon J, Inagaki H, Kawaai C, Masui Y, Kim H, Yoshida H, Suzuki T. Cognitive performance as a predictor of functional decline among the non-disabled elderly dwelling in a Japanese community: a 4-year population-based prospective cohort study. Arch Gerontol Geriatr. 2008 ;47:139-49.

・Yoshida Y, Iwasa H, Kwon J, Furuna T, Kim H, Yoshida H, Suzuki T. Characteristics of non-participants in comprehensive health examinations ("Otasha-kenshin") among an urban community dwelling elderly: basic research for prevention of the geriatric syndrome and a bed-ridden state. Nippon Koshu Eisei Zasshi. 2008 ;55:221-7.

・Kwon J, Yoshida Y, Iwasa H, Yoshida H, Kim H, Sugiura M, Furuna T, Suzuki T. Health status of community-dwelling elderly with geriatric syndrome. Nippon Ronen Igakkai Zasshi. 2007 ;44:224-30.

・Yoshida Y, Kwon J, Iwasa H, Yoshida H, Kim H, Sugiura M, Furuna T, Suzuki T. Characteristics of geriatric syndrome-subjects who did not participate in proffered intervention trial. Nippon Ronen Igakkai Zasshi. 2007 ;44:231-7.

・Kim H, Suzuki T, Yoshida H, Yoshida Y, Sugiura M, Iwasa H, Kwon J, Furuna T. Characteristics of urban community-dwelling elderly women with multiple symptoms of the geriatric syndrome and related factors. Nippon Koshu Eisei Zasshi. 2007 ;54:43-52.


■研究の特徴
高齢期の健康と生活機能の維持、生活の質(QOL)の向上のためには、疾病だけを対象とした検診だけでは十分ではありません。そこで、高齢期における日常生活の障害要因である老年症候群(転倒、失禁、低栄養、軽度うつ等)を早期発見・予防することに重点をおいた健診「お達者健診」を経年的に実施しています。高齢者が、今後良好な生活機能を維持し、自立した期間が長く続けられるよう、老年症候群とその諸要因に関する研究を行っています。
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