愛知職域コホート
[最終更新日:2008年11月27日]
職域紹介
愛知県内某自治体職員

職員数 11,451人(2007年9月末現在)

男性 8,305名(73%)、女性 3,146名(27%)

平均年齢 44.1歳

愛知県は日本列島のほぼ中央にあり、その人口は約740 万人で全国第4位です。愛知県の産業の特徴は、製造業の構成比が全国に比べ極めて高いことで、製造品出荷額等は43兆を超え、30年連続全国第1位となっています。また農業産出額も全国第6位で、特に花き、木材・木製品出荷額等は全国第1位です。さらに、あさり類、とらふぐ類、しゃこの総生産額が全国第1 位のほか、くるまえび、養殖うなぎ、金魚など全国上位を占める魚種も多くあります。

・愛知県の紹介(愛知県HP)
http://www.pref.aichi.jp/0000007723.html
コホート概要
■歴史
 この研究は、大都市圏に居住する勤労者の方々を対象として、日常の生活習慣や毎年の定期健康診断成績が、その後の病気発生とどのように、さらにはどれほどの強さで関係しているのかを見極め、その病気の発生を予防する手段を見つけようという目的で1997 年に発足しました。今までに生活習慣の一斉調査と健診での余剰血液の保存は1997年と2002年に実施しました。また、2007年にも第3回目の生活習慣調査を実施しています。第一回調査の対象者は1997年4月1日の時点で40歳以上に達した愛知県内の自治体に勤務する男性および女性職員(約 8,500人)と、民間企業1社の男性従業員(約3,000人)で、第二回調査の対象者は2002年4月1日に35歳以上に達した男性および女性自治体職員(約11,000人)です。

 いずれの調査も生活習慣に関するアンケート、健診成績の利用、詳細な分析のための血液保存について個人ごとに書面による同意を頂いた方のみ分析対象としています。3項目全てについて同意を頂いた方は、1997年では5,876名(同意書提出者の79.0%)、2002年では5,030名(同66.8%)でした。

 第二回調査では、1997 年以降での心筋梗塞、狭心症、脳卒中、がんの発生があったか否かについてアンケート調査をすると同時に、同意を頂いた方々については、病気に関する客観的情報を得るため、主治医に問い合わせ調査を行いました。高血圧、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病についても調査し、以後2年ごとに発生を把握しています。なお、生活習慣病の発生数は加齢と共に増えるので、退職者の方にも対象を広げた調査を2007年より実施しています。

■調査項目
身長、体重、問診、血圧、心電図、栄養調査、身体活動調査、血液検査、インスリン、LDL−コレステロール、副腎皮質ホルモン、CRP、レプチン、アディポネクチン、TNF-α、職場ストレス、腹囲(2005年)、出生体重、食べる速さ、家族歴、病歴など

■主な成果(いずれもPubmedへリンク)
・Wada K, Yatsuya H, Ouyang P, Otsuka R, Mitsuhashi H, Takefuji S, Matsushita K, Sugiura K, Hotta Y, Toyoshima H, Tamakoshi K. Self-reported medical history was generally accurate among Japanese workplace population. J Clin Epidemiol. 2008 (now printing).

・Hotta Y, Yatsuya H, Toyoshima H, Matsushita K, Mitsuhashi H, Takefuji S, Oiso Y, Tamakoshi K. Low leptin but high insulin resistance of smokers in Japanese men. Diabetes Res Clin Pract. 2008 ;81:358-64.

・Otsuka R, Tamakoshi K, Yatsuya H, Wada K, Matsushita K, OuYang P, Hotta Y, Takefuji S, Mitsuhashi H, Sugiura K, Sasaki S, Kral JG, Toyoshima H. Eating fast leads to insulin resistance: findings in middle-aged Japanese men and women. Prev Med. 2008 ;46:154-9.

・Mitsuhashi H, Yatsuya H, Tamakoshi K, Matsushita K, Otsuka R, Wada K, Sugiura K, Takefuji S, Hotta Y, Kondo T, Murohara T, Toyoshima H. Adiponectin level and left ventricular hypertrophy in Japanese men. Hypertension. 2007 ;49:1448-54.

・Tamakoshi K, Yatsuya H, Wada K, Matsushita K, Otsuka R, Sugiura K, Kondo T, Toyoshima H. Low birth weight is associated with reduced adiponectin concentration in adult. Ann Epidemiol. 2006 ;16:669-74.

・Wada K, Tamakoshi K, Yatsuya H, Otsuka R, Murata C, Zhang H, Takefuji S, Matsushita K, Sugiura K, Toyoshima H. Association between parental histories of hypertension, diabetes and dyslipidemia and the clustering of these disorders in offspring. Prev Med. 2006 ;42:358-63.

・Matsushita K, Yatsuya H, Tamakoshi K, Wada K, Otsuka R, Takefuji S, Sugiura K, Kondo T, Murohara T, Toyoshima H. Comparison of circulating adiponectin and proinflammatory markers regarding their association with metabolic syndrome in Japanese men. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2006 ;26:871-6.

■研究の特徴
 脳卒中の死亡率が減少した現在、代わってがんや心臓病の死亡率が増加しつつあり、更には、絶対数としては少ないのですが、自殺率が急上昇しているなど、国民の健康上問題となる病気は移り変わります。現在、先進国あるいは途上国を問わず肥満者の増加が世界の多くの国々での共通の脅威になりつつあります。肥満は心筋梗塞のほか、糖尿病、高血圧、ある種のがん、筋骨格系の異常など多くの生活習慣病に共通する重要な発病要因であるからです。肥満をもたらす要因の一つとして精神的ストレスも関わっているかもしれません。これらの健康障害に対して適切な対応をとるためには、病気の現状を絶えず把握することが大切で、この集団は現状を写す鏡の役割も担っています。

 さらにこの研究では、1997 年と2002年の健診時余剰血液を保存させて頂いております。この保存血液を用いて、新たに発見されたり、新たにその役割が解明されたりした物質の濃度を測定し、生活習慣病の発生とどのような関連性を有しているかについても検討し、生活習慣病の予防に役立てていく予定です。
・名古屋大学大学院医学系研究科公衆衛学教室
 http://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical/102/p10282.html
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